「古志」深川句会(11月)を終えて

前後しますが、11月12日(水)は「古志」深川句会でした。


特選句からいくつか。

神留守のぴしり閉まらぬ戸一枚   小林昌子


陰暦十一月は出雲に日本中の神様が集まるため、


各地で神さまが不在という状況が起きてしまいます。


そのせいか、戸の締りも悪いというのです。


要らざる深読みかもしれませんが、


なんとも締まりのない、最近の世相を風刺しているかのような、


そんな一句であるとも感じました。


すき焼きや妻は我が家の太柱   神谷宣行


愛妻家の謙遜か、あるいはじっさいにそのとおりなのか、


いずれにせよ、奥様を立てて、讃えているのです。


また、選句のときには作者はわかりませんが、


あらためて神谷さんの境涯句として、


奥様が大病を乗り越えられたことを踏まえて読むと、


また一味違った味わいも感じられる一句ではないでしょうか。


六甲おろし灘へ伊丹へ杜氏くる   大平佳余子


まるで風に吹かれて杜氏がやってくるかのよう。


かつては冬の農閑期になると、


灘や伊丹には、


丹波から酒造りの職人たちが集団でやってきました。


いわゆる丹波杜氏です。


そして寒造りを行いました。

伊丹の岡田家住宅ではそんな歴史を学ぶことができます。


「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。


次回は12月10日(水)13:30〜


会場は江東区文化センター(東陽町)です。


「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。


会員以外の方は体験参加が可能です。


初心者の方も歓迎いたします。


詳細は「古志」公式サイトを御覧ください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

0コメント

  • 1000 / 1000