旧岡田家住宅

伊丹の続きです。

柿衞文庫のすぐそば、

こちらは旧岡田家住宅です。

この家はかつて酒蔵でした。

しかも現存する最古の酒蔵になるのだそうです。

創建は江戸前期にさかのぼり、店舗部分は延宝2年(1674)、


酒蔵は正徳5年(1715)ごろに建てられたものです。

近代以降になって岡田家が所有し、


昭和59年(1984)まで実際に醸造が続けられていました。

当時は「大手柄」「富貴長」「松緑」といった銘柄が人気だったようです。

伊丹の酒の特徴は「諸白(もろはく)」造りにあります。


「諸白造り」とは、麹米も掛米も精米した白米を用いる贅沢な方法のことです。

これによって、それまでの濁り酒(どぶろく)ではなく、


濁りの少ない澄んだ酒を生み出すことができるようになりました。


清酒は現在の日本酒の主流ですね。

慶長5年(1600)ごろ、伊丹・鴻池の造り酒屋が「諸白造り」を始め、

江戸へ出荷するようになります。これが江戸で大評判となり、


以後、江戸の大消費地へ向けた酒の送り出しで栄えます。

こうしたことから伊丹は「清酒発祥の地」と呼ばれるようになりました。

ここでは、そうした伊丹での酒造りの歴史を体感できます。

続きはまた明日。

どうぞよき一日をお過ごしください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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