BOOKS
句集
大旦
―おおあした― 第一句集 2010年刊行 角川学芸出版
波寄せて詩歌の国や大旦
菜の花や生まれかはりてこの星に
この島の魚で肥えて猫の恋
蟬の穴まばゆき朝の来てゐたり
われら住む家を映して水澄めり
蕾
―つぼみ― 第二句集 2019年刊行 花神社
生きること春なほ寒くあるごとく
うごくたび家みしみしと冷奴
而して大悪人の涼新た
かなかなや仏彫るにも屑が出て
諦念の漱石海鼠虚子海鼠
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評伝
楽しい孤独
小林一茶はなぜ辞世の句を詠まなかったのか
―2021年刊行 中公新書ラクレ 小林一茶の生涯と俳句から現代を生きるヒントを学ぶ!
老(おい)が身の値(ね)ぶみをさるるけさの春一茶
「値踏みをする」は「値段を見積もる」という意味です。老人である一茶に対して、世間の目はあたかも商品の値段を付けるかのようであるというのです。一人住まいの貧しい老人である自分は価値のない存在としてみられている……一茶は、そんな世間の冷酷な視線ですら面白がり俳句にしてしまいます。いったいどうやったら、そんなことができるのでしょうか。
本書は、一茶の生涯をたどり、彼が遺した俳句を味わいながら、つらいことばかりが多い人生と向き合い、世間という荒波の中でどのように暮らしていていけばよいのか、生きるヒントを探る旅のガイドブックのようなものなのかもしれません。
俳句入門書
小林一茶
ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
- 2017年刊行 角川ソフィア文庫 あたらしい一茶をやさしく解説