『笈の小文』を巡る 伊賀上野 19 新大仏寺 丈六塚

芭蕉の『笈の小文』を巡る旅。

伊賀市阿波の新大仏寺まで足を延ばしました。

伊賀上野の市街地からタクシーを30分ほど、

伊賀街道の峠道を走ります。

のどかな山里の田園風景のなかに、

1202年(建長二年)創建の古刹があります。

じつは新大仏寺は、あの東大寺ととても縁の深い寺です。

この寺の開祖・重源は鎌倉時代に東大寺大仏および大仏殿を復興した僧なのですが、


東大寺復興にあたり、この地の木材を使用したのです。


この地の木材が質も量も優れていると見極めたのでした。

新大仏寺の前を流れる服部川から木材を流すなどして、


奈良(大和国)まで木を運びました。

そんなことから東大寺の伊賀別所となりました。

芭蕉は『笈の小文』でこの寺を訪れ、


丈六にかげろふ高し石の上   芭蕉


と詠んだほか、


「伊賀新大仏寺之記」を書き残しています。

こちらは「丈六塚」。1780年(安永七年)芭蕉百年祭に建てられました。

すり減ってしまっており、肉眼では読めませんが、

丈六の句と「伊賀新大仏寺之記」全文が記されています。

ちなみに碑文は一茶と縁のあった若翁の筆によるもの。

つづきはまた明日。

どうぞ良き一日をお過ごしください。

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