『笈の小文』を巡る 伊賀上野 13 愛染院・故郷塚

芭蕉の『笈の小文』を巡る旅。

ここは愛染院。松尾家の菩提寺です。

正式には遍光山願成寺という名の真言宗の寺ですが、


愛染明王を祀ることから、愛染院と呼ばれています。

ここには「故郷塚」があり、


芭蕉の遺髪が納められています。

ちなみに荒廃していた芭蕉塚を復興したのは、長月庵若翁

一茶の故郷・信州柏原の明専寺で寺子屋を開いていた人物です。

一茶とも交流があり、一茶はたびたび若翁の元を訪れています。

そんな若翁が復旧した故郷塚。

縦の糸、横の糸、さまざまな糸が織りなす俳諧史。

多くの人たちの時を超えた情熱と行動があって、

いま、わたしたちも故郷塚にまみえることができます。

奥に見えるのが故郷塚です。

小さいながらも、きれいに設えられています。

芭蕉の命日、10月12日には「しぐれ忌」の法要がいまも行われているそうです。

あらためて伊賀上野は芭蕉を身近に感じることができる町だと思いました。


境内に咲いていた花々。

カラムラサキツツジ。

蕊の反り具合がすごいです。

たんぽぽ。

春真っ盛りの時季でした。

偲翁碑。

一すぢの俳系守りて翁の忌   鈴鹿野風呂

落る身を花に啼入る鴰かな   若翁

白椿。

肉厚で力強い白でした。

どうぞ良き一日をお過ごしください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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