日本橋七福神めぐり おまけ 鎧橋など

日本橋七福神めぐりのこぼれネタをご紹介します。

こちらは鎧橋

江戸時代には橋がなく、「鎧の渡し」がありました。

安藤広重の「名所江戸百景」にも「小網町鎧の渡し」として描かれています。


伝承によると、源義家が奥州平定に向かった際、


ここで暴風雨にあい、乗っていた舟が遭難しそうになりました。

舟が沈みそうになったその時、


義家が鎧一領を水中に投げ入れ、龍神に祈祷したところ、


その御加護により、無事に渡ることができました。


そのことから「鎧の渡し」と呼ばれるようになったようです。

ちなみに谷崎潤一郎はこの橋の近くで幼少期を過ごしており、


つぎのように書き記しています。


鎧橋の欄干に顔押し付けて、水の流れを見つめていると、この橋が動いているように見える


(中略)


対岸の小網町には、土蔵の白壁が幾重となく並んでいる。


このあたりは、石版刷りの西洋風景画のように日本離れした空気をただよわせている。


                    谷崎潤一郎『幼少時代』

たもとには東京証券取引所があります。

日本橋・兜町です。「古志」の曽根崇さんや鈴木伊豆山さんを思い出します。

レトロモダンな建物。

まもなく建て替わってしまうようです。

ラムネの幟。

どうぞ良き一日をお過ごしください。

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俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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