古志YouTube句会(2月)を終えて

2月23日(金・祝)は「古志」YouTube句会でした。


暦の上で春となり、俳句も春の色彩を帯びた句がたくさん見られました。


特選句からいくつか。

 (Photo by Canva)


 君たちが巣立ち古巣となりにけり   菅谷和子


 義理チョコをもそもそ食うて卒業す   田村史生


旅立ちの季節です。


人生の旅立ちを見送る人、見送られる人。さまざまなドラマが生まれます。


一句目、季語は古巣


雛が成長し、巣立っていくことで、古巣となるわけですが、


我が家もまた子どもたちが巣立ち、古巣になったというわけです。


巣立っていく喜びと淋しさが入り混じった少し切ない句です。


二句目、義理チョコしかもらえなかったわけですが、


〈もそもそ〉という響きに、いかにも冴えない男ぶりがうかがえます。


学校生活において、これといった華やかなこともないまま卒業していく。


しかし、そんなことを気にするふうでもなく、


チョコレートをもそもそ貪っている姿がありありと浮かんできます。


 煮え切らぬ恋に一撃鰤起し   稲垣雄二


こちらは一転して、神様の怒りでも食らったかのような句。


たとえば〈春の雷〉など、ほかの雷ではありきたりな句になってしまうでしょう。


ぶりの大群が一斉に目覚めはじめる感じがあってこその一句なのです。


「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。


次回は3月23日(土)です。


ぜひご参加ください。

0コメント

  • 1000 / 1000