若狭 11 北前船
(画像は「北前船寄港地フォーラム」より)
北前船はかつて北海道(蝦夷)から大阪にかけて、
各地の品を売り買いしながら、
日本海側を回っていた商業船(船団)のことをいいます。
およそ江戸時代中期から明治30年代まで活躍しました。
鉄道や飛行機もなく、
陸路・空路の輸送が未発達だった時代において、
北前船は物流の大動脈であり、
日本経済の発展に大きく貢献しました。
そして、ここ小浜は北前船の重要な寄港地でした。
かつてはこの海をたくさんの船が行き交っていたのです。
逆に小浜からも特産品が運ばれます。
さて、ここでクエスチョンです。
かつて小浜で作られていたある物が北海道で爆売れしました。
北海道でとても需要が高かった小浜の特産品とは、
一体何でしょう?
難しいですよね。
4択です。
1、鯖
2、瑪瑙(めのう)
3、瓦
4、漆器
ヒントは気候です。
正解は、
3、瓦です。
(若狭瓦@鯖街道ミュージアム)
雪や寒さに強い若狭瓦はおなじく雪国の北海道で重宝されました。
いっぽう、航海する側としても、
船を安定させるために、
船の一番底に重いものを載せる必要があったのですが、
それには瓦がうってつけだったようです。
ちなみに瑪瑙や若狭塗も北前船で運ばれました。
ですので、こちらを選ばれた方もまったくの不正解というわけではありません。
残念ながら閉業されているようです。
若狭塗箸。
こちらも小浜西組のお店なのですが、店名がわかりません。
階段状になっていますが、
船上と船底を上り降りする際に使われていました。
収納にもなり、
階段にもなるということで、
省スペース化になるわけです。
また、船が沈没しても箪笥だけは浮くようにできています。
気密性がとても高く、
たとえ海中に投げ出されても、中のものが濡れずに済むそうです。
なんという知恵と技術でしょう。
船仏です。
北前船の船室に置かれていたものです。
船員たちは航海中も日々、仏様を拝んでいたんですね。
揺りゆられ梅雨の底なる船仏 弘至
近作です。
以上、北前船についてでした。
小浜西組の発展も八幡神社の建立も北前船があってのものです。
御食国であり、
鯖街道の起点であり、
北前船があり、
長い歴史の中で、
この小さな港町をたくさんの人びとが行き交いました。
時代の移り変わりは激しいですが、
小浜を行き交った人びとに思いを馳せるだけでも、
はるかな懐かしい思いで満たされます。
今日もよき一日をお過ごしください。
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