伊丹吟行句会(「古志」大阪支部)を終えて 1
10月4日(土)は伊丹吟行句会(「古志」大阪支部)でした。
特選句よりいくつか。
生来の鬼貫びいき今年酒 木下洋子
「生来の」ということは、これは生まれたときからのことなので、
いまさら変えられないというわけです。
元禄期の俳諧師だけでも、他に芭蕉、素堂、其角といった面々がいるわけですが、
作者とって熱を入れる存在は、鬼貫以外にないわけです。
植物は同じ品種でも育つ地域によって、特徴が変わってきます。
いわゆるテロワールです。
人間には根っここそありませんが、
やはり生まれ育つ地域の気風によって、気質が変わってきます。
鬼貫の気風に近いテロワールで育った作者ですので、
「まこと」の俳諧を提唱した鬼貫に惹かれ、
鬼貫びいきになるのは、
とても自然なことのように思えます。
「伊丹吟行句会」を行った意味があったと心から思える一句でした。
水澄みて膝に子居るか親子墓 峯岡知枝
昨日の記事でご紹介した鬼貫の親子墓を詠んだ句です。
この秋は膝に子のない月見かな 鬼貫
を踏まえています。
以前にも書きましたが、
峯岡さんの季語の選択はいつもシンプルですが、
純度が高く、効果的です。
続きはまた明日。
どうぞよき一日をお過ごしください。
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