海野宿 建物の特徴

海野宿のつづきです。

すでにご紹介してきましたように、

海野宿は江戸の宿場の姿と、明治以降の養蚕の名残が一つに見られる町並みです。

建物の細部にはさまざまな特徴・工夫が隠れています。

ここでは代表的な4つをご紹介します。

まずは卯建(うだつ)。

もともとは隣家に類焼しないよう防火のために作られた壁です。

隣家との境の妻壁を屋根より高く立ち上げ、小屋根を付けたもの。

明治期には装飾を目的とした「袖うだつ」が主になっていきます。

「ジューデンのまちなみタイムスリップ」の中でも解説されていましたね。

ちなみに「うだつが上がらない」の語源にもなっています。


地位や生活がさっぱり向上しない様子をあらわす慣用句ですが、

うだつを高く上げることが裕福さの象徴だったからとも、


棟木を支える柱(卯建)が上から押さえつけられるように見えることから、


出世できないことの象徴になったともいわれています。

卯建については、東海道の宿場町・有松の記事ですでにご紹介しています。

2つ目は「気抜き」。

屋根の上にもうひとつ小さな屋根がありますが、

室内で焚いた火の煙や熱気を逃がすための気抜き窓が作られています。

明治期に海野宿で養蚕が広がると、

蚕を育てる二階の温度調整や排煙が必要になり、

この気抜き(小屋根)が広まりました。

町並みを歩くときは屋根の上にも要注目です。

それから海野格子。

こちらも番組内で解説されていました。

長い縦桟と短い縦桟を二本ずつ交互に組み合わせているのが特徴です。

海野格子によって町並みに独特の風情が生まれています。

最後に出桁(でげた)です。

柱の外へ腕木(うでぎ)を持ち出し、その先に桁を渡して軒を深く出してあります。

海野宿の旅籠造りでは、二階が一階よりわずかに前へ張り出しているものもあります。

雨よけ・日差しよけのほか、店先に商品や看板を置きやすくする効果もあったようです。

町並み歩きのご参考になりましたら幸いです。


どうぞよき一日をお過ごしください。


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