海野宿 馬の塩舐め石

昨日は「ジューデンのまちなみタイムスリップ」(NHK Eテレ)の再放送、

ご覧いただけましたでしょうか?

こちらは海野宿に残る「馬の塩舐め石」。

江戸時代、北国街道の宿場町として栄えた海野宿では、


人や物資を馬のリレーで運ぶ「伝馬制度」が運用されており、


荷物や人を運ぶ伝馬(宿場の公用馬)が交代で行き来しました。

車や電車が無い時代のことです。


馬が人の移動や物流の大きな助けになっていました。


宿場の機能として、馬が要だったのです。

ちなみに北国街道は佐渡で採掘された金をはじめとする日本海側からの物資や、


大名行列以外にも善光寺詣でをする江戸からの参拝客らが多く行き来しました。

「馬の塩舐め石」はその名残りです。


その名のとおり、馬に塩を与えるための石の器です。

口縁が広くとってありますが、

ここに塩を盛り、馬が顔を近づけて舐められるよう工夫されています。

長距離を歩いた馬は汗をかき、ナトリウムなどの電解質を失います。


ミネラル補給のために塩を与えるのは現在の家畜管理でも常識なのだそうですが、


すでに江戸時代の宿場でも同様のケアが行われていたわけです。


先日の記事の厨もそうですが、

人間の暮らしに馬が密接だったころのことを垣間見ることができます。

どうぞよき一日をお過ごしください。


大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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