「古志」深川句会(8月)を終えて 3
13日(水)の「古志」深川句会、
第二句座(席題:新涼、濁り酒、稲雀)のまずは入選句から、
時間の都合で講評できなかった句をいくつか。
聞きづらきことは聞くまい濁り酒 小林昌子
人と人の機微をうまく捉えた一句。
〈聞くまい〉とする態度に小林さんの人生観がよくあらわれています。
新涼や夜の上りは客まばら 越智淳子
新涼という季語には、ひとまず、ほっとする感じがあります。
それは暦の上では夏が過ぎ、暑さが残る中であっても、
新たに感じられる秋の涼しさによるものです。
〈上り〉は東京方面へ向かう電車。
通勤とは逆の流れですので、夜は乗客がまばらなわけですが、
そんな日常のなかに秋の気配を感じているのです。
電車が空いている静かさ、安堵感と、
新涼のほっとする感じがうまくあいまった一句でした。
涼新たご飯ご飯と歌ふ子よ 城田容子
とても伸びやかな一句です。
食欲も落ちる暑い夏を経て、
食欲の秋へと向かっていく感じがします。
どぶろくやいつもの駄ぼら懲りもせず 上俊一
〈駄ぼら〉は駄法螺。
〈懲りもせず〉と眺めているまなざしが、
呆れながらも愛があって良いですね。
「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。
次回は9月10日(水)13:30〜
会場は江東区森下文化センターです。
「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。
会員以外の方は体験参加が可能です。
初心者の方も歓迎いたします。
詳細は「古志」公式サイトを御覧ください。
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