「古志」深川句会(8月)を終えて 4
13日(水)の「古志」深川句会、
第二句座(席題:新涼、濁り酒、稲雀)の特選句からいくつか。
新涼やスーツの人に遠会釈 仲田寛子
クールビズやオフィス・カジュアルが進んだとはいえ、
いまだスーツを着なくてはいけない職種も多いことでしょう。
スーツを着ている人に遠くから会釈している様子ですが、
じっさいには言葉にはあらわさずとも、
暑さも一段落して良かったですね、
という思いがこめられた遠会釈なのではないでしょうか。
〈遠会釈〉という間合いもまた、新涼にふさわしい感じがあります。
曲り家に馬はもう居ず濁酒 金澤道子
はるかな月日の流れを感じさせます。
南部の〈曲り家〉は馬を飼うのに適した造りをしているのですが、
生活に必要がなくなった馬はもうそこには居らず、
どぶろくを呑んでいる老いた人間だけが、
時代に取り残されたかのように存在しているのです。
相続にもめる一茶や稲雀 大場梅子
一茶の遺産相続を詠んだ句は世に多いですが、
この句は田んぼの風景が見えるところが良いですね。
雀が米を取り合っている姿が、一茶たちの争う姿に重なってきます。
「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。
次回は9月10日(水)13:30〜
会場は江東区森下文化センターです。
「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。
会員以外の方は体験参加が可能です。
初心者の方も歓迎いたします。
詳細は「古志」公式サイトを御覧ください。
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