「古志」YouTube席題句会(7月)を終えて

21日(月・祝)は「古志」YouTube席題句会でした。

第一句座:席題【瓜番】【蝿取り】【夏の果て】


特選句からいくつか。


読書の子夏のなごりを本の中   篠原隆子


読書好きの子どもの様子です。


夏休み中、没頭するように読書を楽しんだのでしょう。


夏の果てにあって、名残惜しげに本を読み続けているのではないでしょうか。


夏の終わりの切なさを描き出しています。


這つて取る柱の裏の蠅叩   神戸秀子


〈這って取る〉は立ち上がるのが面倒だからなのか、


あるいは老いの衰えなのか、


いずれにせよ、ペーソスを感じます。


蠅叩を手に取ったとて、およそ叩けそうにもない雰囲気ですが、


手に取った瞬間、豹変してすばやく動きだすのかもしれません。

奥嵯峨の瓜番に聞く暑さかな   丹野麻衣子


暑さを一方的に述べるのではなく、


〈瓜番に聞く〉とワンクッション置いています。


つまり対話型(問答型)の句です。


そのおかげで一句の心はどこか涼しいものになっています。


近世俳諧的な気息も一句の味わいを豊なものにしています。


「古志」YouTube席題句会は不定期開催です。


定例の「古志」YouTube句会のなかでご案内しています。


次回の「古志」YouTube句会は7月26日(土)です。


ぜひご参加ください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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