「古志」YouTube句会(5月)を終えて 2
引き続き、5月24日(土)の「古志」Youtube句会より。
特選句からいくつか。
大仏の臍の奥までさみだるる イーブン美奈子
〈臍の奥まで〉とは、なかなか言えないのではないでしょうか。
じつに深いところまで、さみだれているのです。
もちろん日本の大仏、雨でも良いですが、
タイ在住のイーブンさんの句となると、
タイの大仏、タイの長雨として読むこともできます。
※イーブンさんからのメールによると、旅で訪れた東長寺の福岡大仏を詠んだとのこと。
二度鳴らすチャイムは父で日日草 峯岡知枝
癖でしょうか。
お父様は帰宅の際にチャイムを二度鳴らすのです。
なんでもない日常の一コマですが、
お父様の存在感がありありと感じられます。
また、取り合わせによって、
〈日日草〉の語感とイメージがうまく生かされていることで、
なんでもないことが詩になっているのです。
これもまた俳句という詩型のおもしろいところですね。
鱧の骨断ち切る音の涼しさよ わたなべかよ
〈断つ〉だけでもなく、〈切る〉だけでもなく、
〈断ち切る〉としたことで、
一句に勢いとリアリティが生まれました。
料理人のクールな包丁さばきが目に浮かんできます。
「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。
次回は6月28日(土)です。
「古志」会員であれば、どなたでもご参加いただけます。
欠席投句も可能です。動画はあとからいつでもご視聴いただけます。
初心者の方、入会して日が浅い方も歓迎いたします。
参加のお申し込みは、
koshionline@yahoo.co.jp
まで、メールにてお願いいたします。
ぜひご参加ください。
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