『笈の小文』を巡る 伊賀上野 7 菅原神社

芭蕉の『笈の小文』を巡る旅。

菅原神社(上野天神宮)に参拝しました。

芭蕉が『貝おほひ』を奉納した神社です。

こちらは山口誓子の筆による記念碑。

『貝おほひ』は芭蕉が29歳の時、初めて編んだ俳諧集(句合わせ)です。

ここ菅原神社に奉納して、みずからの文運を祈りました。

いわば、俳諧師としての出発点。


芭蕉の伝記を紐解くとき、必ず最初に出てくる神社ですので、


あらためて感動を覚えました。

初桜折りしもけふはよき日なり   芭蕉


こちらは『笈の小文』の旅で詠まれた句。


伊賀上野の薬師寺にて、伊賀蕉門の月例句会立ち上げの日の挨拶句です。


句碑は1968年の建立。明治百年を記念してものもの。

菅原神社はその名のとおり、菅原道真公を祀っています。


創立年は不詳。


天正9年(1581年)の天正伊賀の乱の後、


藤堂高虎による城下町建設の際、城郭鎮守として、現在の形になったようです。

この楼門は元禄14年(1701)から宝永元年(1704)にかけて造られたもの。


古いものですが、芭蕉没後、少し経ってからの時期ですね。

芭蕉の産土神を訪れることができました。

どうぞ良き一日をお過ごしください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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