『笈の小文』を巡る 鳴海 6 誓願寺 芭蕉堂

芭蕉の『笈の小文』を巡る旅。

鳴海街道沿いの誓願寺へ。

創建は天正元年(1573年)。西山浄土宗

ここは下里(下郷)家の菩提寺。知足をはじめ、代々のお墓があります。

そしてその御縁から、芭蕉堂が建てられています。

安政5年(1858)、地元の俳人・永井士前(永井荷風の曽祖父)らが建立したもの。

扁額は瑞泉寺の中興の祖と呼ばれる二十世・呑舟和尚の筆によるもの。

瑞泉寺については、すでにご紹介しました。

そして堂内。芭蕉像が鎮座しています。

なんと、この像は芭蕉お手植えの杉の木から作ったものだそうです。

下里家の別荘があった細根山に植えられた杉だったのですが、


宝暦三年(1753年)または五年の台風で倒れてしまったため、


それを惜しんで、名古屋の仏師嘉右衛門が芭蕉像にしたのだそうです。

細根山については、また後日、記事にします。

堂内にも立派な扁額が飾られています。

「翁堂」とあります。こちらは成田蒼虬の書。


蒼虬は天保の三大家の一人。桜井梅室、田川鳳朗と並び称される俳人です。

大変貴重な芭蕉堂ですが、拝観は要予約になっていますので、お越しの際はご注意ください。

どうぞ良き一日をお過ごしください。

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