「古志」YouTube句会(2月)を終えて 1
2月22日(土)は「古志」Youtube句会でした。
毎月第四土曜日に定期開催しています。
特選句からいくつか。
まつさらな耳へこの世の初音かな イーブン美奈子
このほど男の子を出産された石塚直子さんへの挨拶句とのこと。
生まれてきたばかりの赤ちゃんの耳に
初音はどのように響いたことでしょう。
この世のすべてが初々しく感じられます。
(Photo by Canva)
侘助やたつた一人に懐く猫 滝沢優子
唯一、この世で心を許している人が一人だけ。
人間不信になるようなことがあっただろうことが読み取れますが、
実際、この句のモデルは滝沢さんが飼っておられる
元保護猫の大ちゃんだそうです。
椿のなかでも小ぶりで可憐な花を咲かせる
侘助という季語がとてもよく効いています。
和猫であろう大ちゃんの姿かたちと響き合い、
そしてその野良猫時代のイメージを想起させるからです。
今回もさまざまな人生が交差する場になりました。
そこでくり広げられる句の交響こそ、
ほんらいの座の文学のありようだと思います。
お互いの俳句から、そしてその背景から、
多くのことを学ぶことができます。
いっぽうで句会は「文台引き下ろせば即ち反故」。
だからこそ、一回きりの交響がかけがえのないものとなるのだと思います。
「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。
次回は3月22日(土)です。
「古志」会員であれば、どなたでもご参加いただけます。
欠席投句も可能です。動画はあとからいつでもご視聴いただけます。
初心者の方も歓迎いたします。
ぜひご参加ください。
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