根本寺 鹿嶋市 3【鹿島紀行】

芭蕉の「鹿島紀行」をめぐる旅。

今回がラストです。

根本寺への道すがら。

地元のわんこに目をつけられ、

いつものように、

襲われました。

鹿島神宮から根本寺へ歩いたのですが、

歩行者の姿はまったくなく、途中、蛇が横切るなど、思ったより難所でした。

ちなみに一の鳥居はこの道のずっと先です。

奥に見えるのは鰐川か北浦です。まるで海のようです。

ところで、芭蕉の禅の師匠、仏頂和尚は奇人として有名だったそうです。


危篤の母親を罵倒するなど、すさまじいエピソードを残しています。


さらには念仏や葬式といった形式的な教えを否定し、


庶民を助けるべく、みずから先頭に立って社会活動を行いました。


鹿島神宮を相手に寺領の境界を争い、裁判を起こして勝訴するなどしています。


こうした苛烈な行動や生き方も奇人とされた理由かもしれません。

そんな仏頂を芭蕉は崇拝していました。


「奥の細道」でも仏頂が修行をした雲巌寺を訪れ、


その修行場について、わざわざ書き記しています。


仏頂のような人物を師と崇めるということは、


芭蕉自身もかなり苛烈な人物だったのではないかと容易に推察できます。

仏頂のほうもまた、芭蕉の月見に付き合うくらいですので、


風流についても理解があった人なのでしょう。


芭蕉を考えるうえで、奇人・仏頂の存在は大変興味深いです。


仏頂は禅について「自己工夫に依りて自得し、体得」するものと説いていますが、


これは俳句にも通じるものがあります。


仏頂と芭蕉の師弟について、あらためて考えてみたいと思わされる旅になりました。

以上で「鹿島紀行」をめぐる旅は終了です。


どうぞよき一日をお過ごしください。

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