根本寺 鹿嶋市【鹿島紀行】

松尾芭蕉の「鹿島紀行」をめぐる旅。

今回は瑞甕山根本寺

612年(推古天皇20年)、聖徳太子が創建したとされる古刹です。


1191年(建久2年)、源頼朝により再興され、後に臨済宗の寺となりました。

1687年(貞享4年)、「鹿島紀行」の旅で芭蕉たちは根本寺へやってくるのですが、

芭蕉の禅の師匠・仏頂和尚がこの寺の二十一代目の住持でした。

芭蕉一行は仏頂和尚と久闊を叙し、ここで宿泊しています。

芭蕉たちの旅の目的は鹿嶋で月見をすることでした。


しかし、その日はあいにく昼から雨。芭蕉たちは諦めて寝床につきます。

ただ、さすがの芭蕉です。


みなが寝入った後、明け方ごろに少し晴れ、月が姿をあらわします。

それに気づいた仏頂和尚が一行を叩き起こします。


そして無事、芭蕉たちは月を見ることができたのです。


雨の音、ただあはれなるけしきのみ胸にみちて、いふべき言の葉もなし


と、芭蕉はそのときの感慨を「鹿島紀行」に書き記しています。

月はやし梢は雨を持ちながら   芭蕉


「鹿島紀行」の根幹をなす一句ですね。

しっかり句碑になっています。

つづきはまた明日。どうぞよき一日をお過ごしください。



0コメント

  • 1000 / 1000