「古志」YouTube句会(5月)を終えて 2

引き続き、「古志」YouTube句会(5月)です。


特選句からいくつか。

(Photo by Canva


水に浮く国に生まれて冷奴   篠原隆子


私たちが日々生活しているこの大地ですが、


地震や津波などもあり、盤石のものではありません。


この句がいうように、冷奴のように脆いものだと思えてきます。


思えば『古事記』でも、


この国の始まりが「くらげなす漂へる国」であったと記しています。


〈水に浮く国〉という認識はけっして科学的ではありませんが、


詩的真実を捉えているといえるでしょう。


機智と諧謔を湛えつつ、固定観念を刷新してくれる一句です。


魂を一寸待たせて更衣   上村幸三


逸る気持ちを抑えているのでしょう。


魂はすでに夏に切り替わっているのですが、


生活の切り替えがまだ追いついていないのです。


年々、更衣が面倒になっていく心持ちもあるのかもしれません。


この句も機智と諧謔を含みながら、


それだけで終わらない、構えが大きい一句です。


「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。


次回は6月22日(土)です。


ぜひご参加ください。

0コメント

  • 1000 / 1000