「古志」福岡句会(2月)を終えて
会場はアクロス福岡。
各地方の方々にもアクセスが良い場所で、
かつ、ご高齢の方でも足元を気にせずお越しいただけるような場所ということで、
この会場を抑えていただいています。
今回は春らしい大きな句が出され、とても良い句会でした。
特選句からいくつか。
古雛その年月のゆるぎなき 矢田民也
人もまた年を重ねていくわけですが、
この古雛のように堂々たる姿で、
ゆるぎなく年月を重ねたいと誰しも思うはずです。
重ねた年月をみずからの誉としたい。
しかし、それは簡単なことではないからこそ、
人生は面白いですし、また、この句が響く深くのだと思います。
春の雷天の吉事を触れ回り 山下充子
ただの雷、あるいは寒雷など、ほかの季節ではこの句は成立しないでしょう。
春の雷だからこそ、めでたい句になっています。
天上ではどんな吉事が起こったのでしょうか。
地上の我々には知る由もないですが、雷さまはそれを告げてくれようとしているのです。
ありがたい春の雷です。
あたたかやタクトの先にある世界 坂口和子
大いなる指揮者送らん囀らん ももたなおよ
ちょうど小澤征爾氏逝去の時期でした。
長年、多くの人に音楽的感動を与えてくださった偉大なマエストロ。
世界中が悲しみに暮れました。
大きな存在だけに、
こうした大きな句をもって送りたいものです。
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