「古志」YouTube席題句会(第43回)を終えて 2

きのうの続きです。


【第二句座】初泣、飾臼、数の子


第二句座も新年の季語から出題しました。


特選句からいくつか。


数の子や大人ばかりの家となり   田村史生


子どもたちもみな、成人したのでしょう。


その結果、大人ばかりの家となったわけです。


めでたいことではあるのですが、一抹の寂しさを感じさせます。


そうした心の機微とともに、時の移り変わりの早さも捉えている一句です。

(Photo by Canva)


嫁入りの帯も掛けたり飾臼   篠原隆子


家で大事に使っている臼を洗い清め、


正月のあいだ飾っておくことを飾臼というのですが、


そういった意味では、飾臼はその家を象徴する存在です。


しめ縄を張ったり、鏡餅を上にのせたりしますが、


そこへ大事な嫁入りの帯も掛けて、


さらに色鮮やかに飾っているというのですから、


まことに円満でめでたい姿ではないでしょうか。


新春らしい一句です。


「古志」YouTube席題句会は不定期開催です。


定例の「古志」YouTube句会のなかでご案内しています。


次回の「古志」YouTube句会は1月27日です。


ぜひご参加ください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

0コメント

  • 1000 / 1000