「古志」郵便句会(12月)を終えて

12月の「古志」郵便句会から特選句をいくつかご紹介します。


伊勢海老のまたぐ朱の椀金の縁    西川東久


懐かしき手ざはり恋の歌かるた    白石勉


いずれも新年(新春)らしいめでたさを詠んでいます。

餅花や洛の出店が世田ヶ谷に    田中尚子


こちらもめでたい句。


季語〈餅花〉によって、出店の華やかな雰囲気をしっかり伝えています。


〈世田谷〉というのも絶妙ではないでしょうか。


露の身の老いて寝顔の尊さよ     山下充子


明日があるかわからない老齢の身。


ご主人の寝顔でしょうか。


しみじみと今をありがたく感じているのです。


コロナ禍を受けて開始した「古志」郵便句会ですが、


一定の役割は果たしたと考え、今回をもって終了することになりました。


ご参加の皆様の作品を拝見してまいりましたが、


回を追うごとに充実度を増してきた印象でした。


この調子で句作に励んでいただけたらと願っております。


今後は対面の句会、オンライン句会をご活用ください。


益々のご活躍を心より祈念申し上げます。


また末尾になりましたが、


幹事を務めてくださった氷室茉胡さん、斉藤真知子さんに心より御礼申し上げます。


大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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