「古志」深川句会(12月)を終えて 2

引き続き、「古志」深川句会です。


第2句座、席題(冬紅葉、ショール、初日記)です。


特選句から。


取り置きの一句隆々新日記   園田靖彦


新年(新春)にふさわしい見事な詠みぶり。


あたらしい日記のために、


「この一句を」と、


前年から準備していたのでしょう。


ふだんの俳句への取り組みがあってこそ生まれる一句です。


今年、園田さんは句集『曽良の島』を刊行されましたが、


句集刊行後の現在地の充実ぶりが伝わってきます。


病み上がり急くなと掛けるショールかな   神谷宣行


いたわりの一句。


病み上がりにもかかわらず、


薄着でばたばたと外へ出ていこうとしている人へ、


ショールを掛けてあげているのです。


たんに優しさだけでは俳句にはならないのですが、


病気が治ったばかりで、休んでいたぶんを取り戻そうと気ばかり焦っている人と、


それを見守る冷静な人との間の微笑ましいコントラストが、


とても上手に表現されています。


作者の神谷さんの弁によると、闘病を経て、無事、癌が寛解した奥様のことを詠まれたそう。


さまざまな人生が交差する場所が句会であり、


わたし自身、多くのことを学ばせていただいている、


ありがたい場だとあらためて感じました。


「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。


次回は1月10日(水)13:30〜


会場は江東区森下文化センターです。


対面句会としては新年最初の句会となります。


「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。


会員以外の方は体験参加も可能です。


初心者の方も歓迎いたします。


ぜひお越しください。

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