古志YouTube句会(12月)を終えて
特選句からいくつか。
宗達の鶴飛び出でよ出水の田 鈴木榮子
鹿児島県出水は鶴の飛来地として有名です。
私も若い頃に句作のため、数年、通いました。
俵屋宗達が描いた鶴といえば、「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」が思い出されます。
まさにこの絵のような鶴の姿を目の当たりにすることができます。
宗達が描いた、めでたくもあわれな世界がいま眼前に広がるわけです。
あらためて出水を訪れたくなる一句でした。
古暦楽しき日々を来年も 菅谷和子
飾らない表現ですが、平穏な日々への感謝がしみじみと感じられる句です。
コロナ禍があり、そして各地で戦争が起きている状況で、
一寸先は何が起きるかわからない時代です。
そうした状況だからこそ、
〈楽しき日々を来年も〉という祈りは切実に胸に響きます。
〈古暦〉という季語がその祈りをいっそうありありとしたものに感じさせてくれます。
「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。
次回は1月27日(土)です。
ぜひご参加ください。
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