古志YouTube句会(9月)を終えて
9月23日(土)は第43回「古志」YouTube句会でした。
毎月第4土曜日、定例の句会です。
「古志」の方であれば、どなたでもご参加いただけます。
特選句から。
句と友と在りて上々敬老日 きだりえこ
俳句という表現手段、そしてそれにまつわる友人たち。
老いたいま、それらとの出会いこそが、
「上々」だと心から満足しているのです。
物質的な豊かさではない、
お金では買えない豊かさがそこにはあります。
ポイントは〈敬老日〉という季語だと思います。
かすかに老いのペーソスを感じさせ、
この句の内容が上辺だけのものではないことをよくあらわしています。
新涼やイチニのサンで母かかへ 米山瑠依
一読、介護の様子だとわかります。
人間一人を抱え起こすのは重労働です。
母を抱え起こす瞬間を詠んでいるわけですが、
思わず読んでいるほうも力が入るような臨場感です。
しかし、この句には悲壮感や疲労感はありません。
ひとつは〈新涼〉という季語を選んだこと。
そして〈イチニのサン〉と掛け声をカタカナで表記したこと、
それらの表現がうまくハマったことで、
介護の現場を生きいきと描き出すことに成功しています。
「人生、大変なときにこそ俳句の神さまが降りてくる」とよく言われますが、
米山さんは今まさにそういった状態ではないでしょうか。
「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催していますが、
次回は都合により、第3土曜日10月21日(土)です。
お間違いのないようご注意ください。
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