古志YouTube句会(7月)を終えて 2

昨日の続きです。


特選句から。

                              (Photo by S. Tsuchiya


とりあへず大の字に寝て夏休み   木下まこと


夏休みになったものの、


何の予定もないし、とくにすることもない。


ひとまず大の字に寝転んで、


今後の予定はゆっくり考えようという感じでしょうか。


夏休みというと、はしゃぐ様子を詠むことが一般的に多いですが、


この句はその逆を詠んでいて、しかし実にリアルです。


ゆったりとした時間の流れを心地よく感じることができます。

                             (Photo by Julia Stepper


金魚売り手拭ひ厚く肩に置き   米山瑠依


一見、なんでもない句ですが、


〈厚く〉と捉えたところに、


金魚売りの「人となり」などが、ぼんやりと立ち現れてきます。


写実的な句ですが、ほのかな抒情をたたえています。

                             (Photo by Michael Kroul


父の手を放して沖へ泳ぎだす   臼杵政治


手を放した瞬間を詠んでいます。


これは一人の人間の成長の瞬間でもあります。


これからはじぶんの力で泳いでいくわけです。


人生上、だれもが経験する瞬間を劇的に描いています。


「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。


次回は8月26日(土)です。


ぜひご参加ください。

0コメント

  • 1000 / 1000