若狭 8 八百比丘尼の岩窟

八幡神社とおなじく後瀬山のふもとに空印寺があります。


そこに八百比丘尼入定の岩窟が祀られています。

670年(天智9年)頃のこと、


小浜の高橋長者という男が伝説の蓬莱島を訪れます。


高橋長者は島で歓待され、


お土産に人魚の肉をもらい、小浜まで持って帰ります。

その肉を当時16歳だった長者の娘が食べたところ、


不老不死の体を手に入れます。


娘はいくつになっても若々しく、死ぬことができません。


その苦しみから尼になり、全国を行脚します。

その後、小浜へ戻り、娘が800歳のとき、


この後瀬山の岩窟で入定(即身成仏)しました。


以上が八百比丘尼の伝説です。

岩窟に近づくことはできませんが、


仮に近づくことができたとしても、


およそ近寄りがたい神聖で厳粛な気がびりびりと漂っています。

写真では上手く捉えることが出来ていませんが、


後瀬山の岩肌がなんとも神々しいです。

その岩肌を覆う緑の生命力にも圧倒されます。


写真ではなかなか伝わらず、もどかしいです。

すぐとなりにも祠があります。

きっと後瀬山は古代から神聖な気を放っていたのでしょう。


そこにさらに長い年月をかけて、


さまざまな人たちが思いを重ねていき、


いっそう神さびた雰囲気を帯びているのだと思います。


今回の旅では後瀬山からたくさんのパワーをいただきました。


ご覧いただいている皆様にも届きますことを。


どうぞ良い一日をお過ごしください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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