牡丹か芍薬か

いかがお過ごしでしょうか。


5月18日の記事「善光寺と一茶 2 句碑と鳩」にて、

牡丹芍薬か、みなさんにお尋ねしたこの花ですが、


さまざまお便りいただき、まことにありがとうございます。


おかげさまで解決しました。


「古志」の鈴木榮子さんからのお便りを抜粋してご紹介します。


わかりやすくご説明くださいました。


「黄色い花は牡丹と思います。


牡丹と芍薬の違いは何点かあるのですが、


一番の差異は茎です。


牡丹は木、芍薬は草です。」


とのことでした。


たしかに写真のものは「木」ですので、「牡丹」ですね。


芍薬は草なので、冬になると全部枯れてしまい、


いっぽう牡丹は枝や幹を残して越冬するとのこと。

こちらは鈴木さん宅の牡丹。お写真をいただきました。


みごとな牡丹です。


鈴木さんによると、


「牡丹と芍薬を区別して呼ぶのは日本人と、原産国の中国人だけ」とのこと。


英米人はどちらのこともpeonyと言うそうです。


牡丹と芍薬、おなじものにしないところに、


日本人のこだわりと美意識をあらためて感じます。


もちろん季語としても牡丹と芍薬は別のものですので、


しっかり詠み分けていく必要がありますね。


最近の受贈誌、受贈句集からいくつかご紹介します。


この場を借りて御礼申し上げます。

まずは句集から。(敬称略)

句集『倉岳山』上條多惠 青磁社(古志叢書第六十八篇)

句集『鹿』松本邦吉 ふらぬーる社


つづいて受贈誌から。

「麒麟」創刊号 二〇二三年 春


「きごさい」第15号 季語と歳時記の会

このオブジェは有名なジャン・コクトーの詩がモチーフになっています。

「私の耳は貝の殻 海の響きをなつかしむ」堀口大學訳


訳詩集『月下の一群』から。


名訳です。

よい一日をお過ごしください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰

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