「古志」福岡句会(12月)を終えて
昨年のことになりますが、12月18日(水)は「古志」福岡句会でした。
特選句からいくつか。
年ゆくや弥勒菩薩の微笑のうち 前田悠
広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像でしょうか。
静かな微笑みを湛えており、アルカイック・スマイルと呼ばれています。
この笑みは感情をあらわすというよりは、
慈悲や救いの予感をあらわすもので、
それを踏まえれば、この句はたとえば一茶における、
ともかくもあなた任せの年の暮 一茶
に通うものがあるのではないでしょうか。
この一年もいろんなつらい出来事があったけれども、ともかく、
じたばたせずに、私の運命をあなたさま(阿弥陀仏)にお任せいたします。
なぜなら、人生は死んで終わりではなく、
巡りゆく年のように、
また浄土であたらしい人生が始まるものだから、
と一茶はいうのです。
前田さんの句もこうした立命安心を詠んでいるようにみえます。
埋火や再発いつか今は無事 周龍梅
癌との闘い。
いつ再発するかわからない不安を抱えているわけですが、
ともかくも、いまは無事。
埋められた静かな火が、不安な心をうまく表しています。
那珂川の晴れて小さき鴨の陣 今村榾火
前書に「福岡句会」とありました。
座への挨拶です。
数は少ないですが、士気の高い鴨の陣だと挨拶しています。
まさしく少数精鋭の句座でした。
「古志」では全国各地に支部があり、句会が行われています。
私(主宰)もしばしば出席しています。
ご興味のある方は、ぜひ「古志」にご入会ください。
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