『笈の小文』を巡る 伊賀上野 12 蓑虫庵 庭園
芭蕉の『笈の小文』を巡る旅。
服部土芳の蓑虫庵のつづきです。
蓑虫庵の庭にはさまざまな樹木が植えられ、
みごとに整えられています。
立派な馬酔木。
ちょうど花盛りでした。
背の高い馬酔木でした。
こちらは沈丁花。
芳香を放っています。
ヒサカキ。こちらも独特な香りがします。
このときは4月の上旬、桜が見頃でした。
命二つの中に生きたる桜かな 芭蕉
土芳と二十年ぶりに再会した際に詠まれた句です。
椿の見頃でもあり、
贅沢にも桜と椿が咲き交わしていました。
蓑虫庵にはさまざまな種類の椿が咲いており、
こちらは卜伴椿。
独特な花の姿をしていますが、
江戸時代に日本で造られた品種のようです。
庭内にはたくさんの碑があります。
服部土芳の供養墓。
よく見ればなずな花咲く垣根かな 芭蕉
ほかにも句碑がいろいろありました。
こちらは芭蕉堂。
昭和5年に建てられました。
堂内の様子。
小さな芭蕉像が祀られています。
和やかなお顔です。
幼少から芭蕉に学んだ土芳。「かるみ」の新風も体得し、
晩年の芭蕉が最も期待した弟子の一人でした。
そんな土芳が残した『三冊子』、いつか古典講座で評釈したいと思います。
どうぞ良き一日をお過ごしください。
0コメント