「古志」YouTube句会(11月)を終えて 1
11月23日(土)は「古志」Youtube句会でした。
毎月第四土曜日に定期開催しています。
特選句からいくつか。
秋の夜を寝てゐる妻よ勿体な 上村幸三
〈秋の夜〉は気候的にも過ごしやすく、
秋の夜長というように、しだいに夜の時間が長くなるため、
読書や趣味に没頭するにも良い季節です。
そして月や星が澄みわたり、虫の声が美しい。
静謐で豊かな時間です。
にも関わらず、妻は寝てしまっており、
もったいないと感じているわけですが、
豊かな時間を妻と分かち合えないことへのちょっとした不満、
そして一抹の寂しさが詠まれています。
しかし、それも妻への愛ゆえ。
(Photo by Canva)
海鼠切るややためらひて海鼠切る 田中信爾
まな板の上の海鼠を前にしての実感でしょう。
上五を下五でくりかえす形は、
菊咲けり陶淵明の菊咲けり 山口青邨
が有名ですが、ともすると、くどくなってしまいます。
しかし、田中さんの句の場合、
そのためらいの感情を表すのに非常に大きな効果をもたらしています。
「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。
次回は12月28日(土)です。
「古志」会員であれば、どなたでもご参加いただけます。
欠席投句も可能です。動画はあとからいつでもご視聴いただけます。
初心者の方も歓迎いたします。
ぜひご参加ください。
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