「古志」YouTube句会(10月)を終えて 3

10月26日(土)は「古志」Youtube句会でした。


毎月第四土曜日に定期開催しています。


引きつづき、今回も特選句からいくつか。


大原は降りみ降らずみ生渋桶   神戸秀子


古格漂う一句。


柿渋を取る作業は渋取りとして、秋の季語になっています。


渋桶はその傍題です。


大原は古来、貴族たちが世をはかなんで隠遁した隠れ里。


そんな大原のトポスを踏まえると、


いっそうあわれ深く感じられるのではないでしょうか。


「み」は接尾語。「〜み〜み」と使うことで、


動作や状態が交互に起きていることをあらわします。


ですので〈降りみ降らずみ〉は、


降ったり、降らなかったりという意になります。

生臭き鮭打棒や濡れてあり   谷村和華子


原句は〈生臭き鮭打棒や月に濡れ〉でした。


しかし〈月に濡れ〉では過剰演出のように感じます。


それも安っぽい、ありきたりな演出です。


こうしたよけいな演出で俳句を飾ってしまうと、


かえってものの本質から遠ざかってしまいます。


俳句は飾らないこと。


そして、ものの本質をズバリと捉えることが大事です。


「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。


次回は11月23日(土)です。


「古志」会員であれば、どなたでもご参加いただけます。


欠席投句も可能です。動画はあとからいつでもご視聴いただけます。


初心者の方も歓迎いたします。


ぜひご参加ください。

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