「古志」深川句会(10月)を終えて
10月9日(水)は「古志」深川句会でした。
会場は江東区森下文化センター。
特選句からいくつか。
昨夜の雨紫式部白式部 金澤道子
無駄な叙述がありません。
それでいながら、昨夜の雨に濡れていっそう艶を増した紫と白が、
ありありと目に浮かんできます。
ご存知のとおり、紫式部という名は『源氏物語』の作者に由来するもので、
典雅な響きをもっていますが、
その響きを存分に活かした一句になっています。
退治せん名は愛らしの稲子麿 菅谷和子
こちらもその名を活かした一句。
稲子麿とはイナゴのことですが、このように呼ぶと、
かわいらしい子どものように感じられます。
しかし、人間にとっては稲を荒らす害虫ですので、退治しなくてはいけません。
わたしたちは地球上でさまざまな生き物と共存していかなくてはいけないのですが、
なかなか綺麗ごとだけでは生きていけない、そんな葛藤が詠まれています。
まほろばの柿のゆかしや禅寺丸 大場梅子
禅寺丸柿は日本最古の甘柿。
鎌倉時代、星宿山王禅寺に自生しているのを発見されました。
以前、ブログでご紹介しましたので、ご参照ください。
大場さんの句は柿が発見された瞬間に時間がさかのぼったかのような、
はるかなる思いにさせてくれます。
「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。
次回は11月13日(水)13:30〜
会場は江東区森下文化センターです。
「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。
会員以外の方は体験参加が可能です。
初心者の方も歓迎いたします。
詳細は「古志」公式サイトを御覧ください。
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