「古志」YouTube句会(9月)を終えて

9月28日(土)は「古志」Youtube句会でした。


毎月第四土曜日に定期開催しています。


特選句からいくつか。


同じ月仰ぎつ母と長電話   谷村和華子


月はだれもが時間と空間を越えて共有できる普遍的存在です。


母との長電話の最中、ふとお互いが同じ月を見ていることに気づいたのでしょう。


月と母と自分が三角形のように結ばれています。


それぞれ世界に一つだけの存在です。


ふだんの暮らしは離れ離れですが、こうして繋がっているのです。


作者によれば、ご高齢のお母様に毎晩電話で連絡を入れているそうです。


長電話ということなので、


たんに要件を伝えたり、生存確認だけだったりで終わらず、


思いや感情を共有しながら話し込んでいるのでしょう。


母と子の絆を感じさせます。

(Photo by Canva


竹伐つて父が繕ふ鰻筒   長野いづみ


竹細工による工芸品や生活品を作るための材料として、


竹を伐ってくるわけですが、陰暦八月頃の竹がもっとも質が良いとされ、


竹伐るという季語になっています。


ですので、この句では、良い時期の竹を伐ってきて、それで鰻筒を繕っているわけです。


作者によれば、お父様は素人の鰻捕りだったそうで、


それを食べさせられたせいで、鰻が嫌いになってしまったとのこと。


人生とは一筋縄ではいかないものですね。


「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。


次回は10月26日(土)です。


「古志」会員であれば、どなたでもご参加いただけます。


欠席投句も可能です。動画はあとからいつでもご視聴いただけます。


初心者の方も歓迎いたします。


ぜひご参加ください。

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