「古志」東京句会(3月)を終えて

先月30日(土)、江東区文化センターにて「古志」東京句会を開催しました。


「古志」東京句会は不定期開催です。


おもに第五土曜日に開催しています。


特選句からいくつか。


くしやくしやにまるめて春のコートかな   藤原智子


ぐつすりと眠つてけさの桜かな


いずれもおなじ作者・藤原さんの句。


一読、平明な句であるため、ただごとのように感じてしまう読者もいるかもしれません。


しかし、これらの句、句会中の講評でもお話しましたが、


俳句で最も大事な「呼吸」と「集中」が感じられます。


「呼吸」と「集中」がしっかり働いていることによって、


春の息吹をしっかりとらえることができています。


まごうかたなき春の空気です。


この「呼吸」と「集中」については、角川「俳句」5月号に掲載される予定です。


詳しくはそちらを御覧ください。


手をついてただただ眠き蛙かな   菅谷和子


こちらもあるがままに詠まれていますので、


ただごとのように感じてしまう向きもあるかもしれませんが、


やはり「呼吸」と「集中」がしっかり働いています。


さらには自画像のようにも読めるため、


作者とペーソスを分かちあうことができます。

3月30日(土)はまだ初花の頃でした。


東京はすっかり花も散ってしまいました。


「古志」東京句会、次回は6月29日(土)に開催予定です。


ぜひご参加ください。



大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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