カフェ・ブラジレイロ @博多区店屋町

おはようございます。


引き続き博多の街歩きです。

ブラジレイロで一服しました。

ブラジレイロは昭和9年創業。


もともとは中洲の橋の袂にあり、


当時としては、とてもモダンな白亜の建物で人目を引きました。

当時の外観。(画像は「食べログ」より)


学生時代の那珂太郎がブラジレイロの常連客だったことは有名です。


 中洲の橋のたもとにたたずみ目をつむると おい伊達得夫よ

       

 あのブラジレイロの玲瓏たるまぼろしが浮んでくるぢやないか

       

 ほら ぎんのさざなみに魚の刃が閃き草仮名をかいて鷗がかすめる


          那珂太郎「はかたⅢ」 詩集『はかた』より

ほかにも火野葦平、原田種夫、夢野久作ら、


地元の文人・文学青年たちが集う特別な場所でした。

ちなみに北原白秋が帰福した際には、


火野葦平、原田種夫らが必ずブラジレイロで歓迎会を開いたそうです。

コーヒー用のクリーム。硬めです。

昭和26年に現在の場所へ移転しますが、


店内にはいまなおモダンで芸術的な雰囲気が漂っています。


 春の舟豚一頭をのせて流れゆく   那珂太郎『空寂』


昭和初期の那珂川の風景ではないでしょうか。


中洲の繁華街へ運ばれているのではないかと思うのです。


これもブラジレイロからの眺めだったかもしれないと


勝手な想像をしてしまいます。


雑駁なエネルギーをもった街・中洲の一面を詠んだ句のように思えるのです。

どうぞ良き一日をお過ごしください。


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