半歌仙「庵の月」の巻 連句解説 2

昨日の記事の続きです。


発句と脇について解説しました。


庵の月主をとへば芋掘に    蕪村

 鳴くにまかせる蚯蚓七匹   弘至


続いて第三です。


船はいま野分を連れてあらはれて 隆子


第三は大きく転換する必要があります。


すでに発句と脇で一つの宇宙が形作られています。


つまり二句で完結しているのです。


ですので、ここは大きく離れます。


そうしないと、ずっと同じトーン、同じ展開で進んでしまいます。


かといって離れすぎてもいけません。


今回の第三は海に転じています。


 鳴くにまかせる蚯蚓七匹   弘至

船はいま野分を連れてあらはれて 隆子


このように並べてみると、前句の蚯蚓(みみず)たちは、


野分が来るのを囃し立てているように見えてきます。


しっかり場面が転換できている証です。


第三はいつも難しく、比較的時間がかかってしまうのですが、


今回は早めに決まったように記憶しています。


「古志」YouTube歌仙の会の成熟を感じます。


庵の月主をとへば芋掘に    蕪村

 鳴くにまかせる蚯蚓七匹   弘至

船はいま野分を連れてあらはれて 隆子


続きはまた明日。


残暑の候、くれぐれもご自愛ください。

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