「古志」深川句会(8月)を終えて

8月9日(水)は「古志」深川句会でした。


毎月第2水曜日に江東区森下文化センターで行っています。


第一句座、特選句から。


墓参してこれで故郷も見納めぞ   園田靖彦


帰省して墓参に行ったわけですが、


年齢的にこれが最後の墓参りであり、


かつ最後の帰郷だというのです。


作者は壱岐の出身。


離島ですので、高齢の方が帰省するのは大変です。

(壱岐の砂浜 Photo by TOMOKO UJI


句会では作者の名は伏せられますので、


誰の作品かわからない状態で選をしますが、


作者の境涯が加わると、


いっそう深みと切なさが増す一句ではないでしょうか。


出遊びの父は留守かや墓掃除   篠原隆子


こちらも墓参りの句。


生前、御尊父は出好きだったのでしょう。


娘である作者が墓掃除をしている、そのいまも、


きっと出歩いて遊んでいることだろうと


微苦笑交じりに懐かしんでいるのです。


親と子、此岸と彼岸、現在と過去など、


さまざまな思いが胸を去来する、


奥行きのある一句ではないでしょうか。

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