「古志」深川句会(7月)を終えて
7月12日(水)は「古志」深川句会でした。
毎月第2水曜日に江東区森下文化センターで行っています。
今回は新潟県佐渡から安藤文さんが参加されました。
期待の新鋭です。
裸子や裸を武器に駆け回る 安藤文
特選句。
手のつけられない子どもの様子を生きいきと捉えています。
裸で動き回られると、大人は困惑してしまいますが、
そんな周囲の心理も言外にあらわすことができています。
たんに勢いだけでなく、
しっかり奥行きのある一句に仕上がっていると思います。
そんな安藤さんへの挨拶句。
天の川またぎ佐渡より来られしか 菅谷和子
芭蕉の〈荒海や佐渡によこたふ天の川〉を下敷きに詠んでいるわけですが、
〈天の川〉をまたぐという、宇宙からの視点ともいうべき、
大胆な捉え方が一句を大きく力強いものにしています。
安藤さんには、こうした句がふさわしくなるよう、
俳人として、いっそう逞しくなられることを願ってやみません。
今回、句座を共にされた皆さんも安藤さんの益々のご活躍を願っているはずです。
(photo by Luca Baggio)
蚊遣火の尽きても聞こゆ子守唄 石塚直子
こちらも子どもを詠んだ句。
おなじく若い作者による作品ですが、子育て真っ最中ならではの句になっています。
なかなか寝付かない子ども、そしてそれに付き合う母親(作者)の姿が、
情感をたたえながら目に浮かんできます。
〈蚊遣火〉で時間の経過をうまく描き出している点も注目すべきところです。
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