若狭 9 後瀬山城

今回の旅の最大の目的であり、


わたくしが憧れ続けた歌枕、後瀬山ですが、


その山腹をいまはトンネルが通っています。

ちょっと怖い感じですが、

小浜線が通っているのです。

ちなみに、ある男が八百比丘尼の岩窟に入ったところ、


なんと丹波の山奥に出たという伝承が残っていますが、


このトンネルもそんな感じがします。


(安心してください。隣の駅に着きます)

中世には山頂に城が築かれました。


後瀬山城です。

若狭武田氏によって築城されましたが、


あまりにも険しく、ふだん使いには不便だったようで、


江戸時代には廃城となります。


神を宿し、歌を宿す後瀬山ですが、


その山頂に城を築くというのは、


神聖な場所に土足で踏み込むような感じがします。

いまは愛宕神社になっています。


鳥居は登山道の入り口なのですが、

この先はなかなかに険しく、装備も不十分なため、


途中で断念しました。


そもそも歴代の城主たちも山頂に住むことはなく、


麓に居館を構えて住んでいました。

いまは立入禁止のひたすら広い空地になっています。

帰路、後瀬山から電車が出てきました。

聖俗混淆の後瀬山でした。

良い一日をお過ごしください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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