古志YouTube句会(5月)を終えて

土曜日は定例のYouTube句会でした。


「仏を彫って魂入れず」についてお話をしました。


形よりも魂が大事だということです。


俳句を長く続けていると、形だけはできるようになりますが、


作ることが目的化してしまい、


「俳句作って魂入れず」に陥りやすいです。


俳句入門講座でも同じことをお話したのですが、


やはり俳句にとって、いちばん大事な部分だと思うのです。


背に負ひし心は軽くかたつむり  上村幸三


殻を背負って鈍重なイメージのある「かたつむり」に対する先入観を覆してくれる句です。


同時に、こんな生き方ができたらいいなと思わせてくれます。


誰しも何かを背負って生きているわけですが、


だからこそ「心は軽く」ありたいものです。

  ( Photo by (c)Tomo.Yun ) http://www.yunphoto.net 


大蜘蛛や糸尽きたれば歩むまで  篠原隆子


かたつむりにとって殻が大事なものであるように、


蜘蛛にとっての糸もまた、アイデンティティのようなもの。


その糸が尽きたならば、歩めばいいというのは、


なかなかの覚悟ではないでしょうか。


言うまでもなく、これは作者自身の覚悟であり、作者の理想とする生き様です。


こうした句には魂を感じることができます。


前回4月の句会後のブログで、


「結局のところ、俳句は人生観次第」


と書きましたが、あらためてそのことを考えさせられた二句でした。

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