「古志」深川句会(4月)を終えて 2
4月8日(水)の「古志」深川句会のつづきです。
二句座目は席題。リラの花、穀雨、母の日。
特選句からいくつか。
リラ冷や北大生となりし日の 神谷宣行
リラ(ライラック)といえば、
まさに北海道のイメージですね。
北海道大学に入学したその日のことを詠んでいますが、
その不安と期待に満ちた心のありようと、
リラ冷えの引き締まった空気感がひりひりと響き合っています。
〈なりし日の〉という倒置的で言い切らない形もまた、
青春特有の不安感を表現するのに効果的に働いています。
父帰る穀雨の泥を長靴に 長野いづみ
畑仕事をしてきた御尊父でしょうか。
泥に塗れた長靴が今も脳裏にありありと焼き付いているのです。
若き日の御尊父の姿が彷彿とされ、
その朴訥とした人柄まで言外に伝わってきます。
なお、穀雨(こくう)は、二十四節気の一つで、
新暦四月二十日ごろにあたります。
雨が田畑を潤し、穀物や草木の芽生ちを助ける頃とされ、
その名のとおり、
穀物を育てる雨という意味をもっています。
かつては種まきや苗作りなどに適した、
農の始まりの日とされており、
万物が育っていく生長の気配を含んでいます。
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