「古志」深川句会(12月)を終えて 2
12月12日(水)の「古志」深川句会のつづきです。
二句座目席題、
特選句からいくつか。
裃が鼓を炙る炭火かな 西川遊歩
囃子方の能楽師です。
鼓は湿度の変化に影響を受けやすい、繊細な楽器です。
理想の音を出すための湿度調節で、
鼓を炙っているわけですが、
その火が炭火だというのが、なんとも古風な趣です。
古俳諧を思わせる一句の調子のもまた、
句の内容にぴったり合っているように思います。
どの星もおおつごもりの輝きに 城田容子
たとえば一茶は、
我が星はどこに旅寝や天の川
と詠みましたが、
星にはそれぞれの輝きがあり、
それぞれに何かが宿っているように感じられます。
年をまたぐ節目の夜、いっせいに輝きを合わせるかのように、
星々はおおつごもりの光を放っているというのです。
落とすまじ野坡の担ぎし炭俵 臼杵政治
野坡は芭蕉の弟子。
本業は越後屋の手代。
七部集のひとつ『炭俵』の編纂に関わりました。
落とすまじと炭俵を大事に運んでいる様子がユーモラスに目に浮かんできますが、
言うまでもなく、この句の炭俵は、
店の商品と思われる「炭俵」と、
俳書としての『炭俵』のダブルイメージになっています。
本業も俳諧もどちらも大事にした野坡の実直な姿をうまく描いています。
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