「古志」深川句会(11月)を終えて 2
11月13日(水)は「古志」深川句会でした。
引き続き、特選句から。
身にしむや波郷の視線二眼レフ 西川遊歩
石田波郷記念館(江東区砂町文化センター)には波郷が愛用したカメラが展示されています。
波郷はカメラを趣味にしていましたが、その腕前はプロ並みで、
周辺の人物や当時住んでいた江東区の風景を数多く写真に収めました。
『江東歳時記』には句文とともに、その写真作品が収録されています。
遊歩さんの句は〈波郷の視線〉を感受した時点で勝負あり。
肉体は滅ぶとも、視線は永遠に残るのです。
(Photo by Canva)
ホウホウと問答したき梟よ 上俊一
語りたいとか、おしゃべりしたい、ではなく、
〈問答〉としたことで、梟がまるで禅の修行者のように見えてきます。
全体としては肩の力の抜けた詠みぶりですが、
そうした何気ないところに、
作者の精神性を垣間見ることができます。
つまり、作者である上さんがふだん、
どのような精神世界に生きているかが見えてくるのです。
このように何気なく詠んだ句であっても、
むしろ、そうした句にこそ、
その人の精神性がにじみ出るものなので、
俳句は恐ろしい、といつも思いますし、
だからこそ人生をかける甲斐があると思っています。
「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。
次回は年内最後、12月11日(水)13:30〜
会場は江東区森下文化センターです。
「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。
会員以外の方は体験参加が可能です。
初心者の方も歓迎いたします。
詳細は「古志」公式サイトを御覧ください。
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