「古志」福岡句会を終えて(9月) 2
きのうの続きです。
9月29日(日)、「古志」福岡句会の第二句座。
席題(萩、鵙、栗飯)でした。
特選句からいくつか。
下々も王朝人も萩の露 今村榾火
下々であろうが、王朝びとであろうが、
みな等しくうつくしく、そして儚い存在だと詠んでいます。
また、たんに〈露の玉)というのではなく、
〈萩の露〉とし、花の姿をイメージさせたことが、
一句の大きなポイントになっています。
鵙鳴くや未完のホ句の置きどころ 今村榾火
こちらも今村さんの句。
木がらしや東京の日のありどころ 芥川龍之介
をどこか彷彿とさせます。
いまだ形になっていないけれども、
なんとか一句に仕立てたい。
そんな未完の句を一体、心のどのあたりに置いておけばよいのか。
落ち着かない感じがありありと伝わってきます。
そしてここからその句をどう完成していくのだろうかと、
そんなことも気になってしまう、奥行きのある一句です。
鵙の鋭い高音も良い味を出しています。
今村さんの充実ぶりを再確認する第二句座でした。
福岡句会にはたびたび出席させていただいています。
近隣の方はぜひお運びください。
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