「古志」福岡句会を終えて(9月)
9月29日(日)は「古志」福岡句会でした。
会場は福岡市立早良市民センター。
特選句からいくつか。
咲き継ぐや金印の地の曼珠沙華 前田悠
はるか卑弥呼の時代からこの地に咲き継ぐ曼珠沙華。
言うまでもありませんが、金印の地とは志賀島のこと。
金印は志賀島の畑で発見されました。
曼珠沙華というと、彼岸花のイメージがありますので、
すぐにあの世と結びつけて詠んでしまいがちですが、
この句はそんな連想・理屈からは自由であり、
ゆえに読者は曼珠沙華を生きいきとイメージすることができます。
同時にこの地に代々生き継ぐ人びとの姿もまた、
一句の背後に立ち上がってきます。
福岡ならではの句でした。
秋暑し五臓六腑に不老水 斉藤真知子
香椎にある不老水。名水百選にも選ばれています。
もちろん、飲んだところで不老長寿になるわけではありませんが、
歴史的な名水ですので、この秋のたいへんな暑さのなか、
いっそうありがたく、いっそう身に染みわたることでしょう。
ただの名水というだけでなく、
人の煩悩をくすぐる〈不老水〉であることから、
とぼけた味わいが一句に生まれています。
つづきはまた明日。
どうぞよき一日をお過ごしください。
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