「古志」深川句会(8月)を終えて 2

8月14日(水)は「古志」深川句会でした。

特選句からいくつか。


城端の名の虫干を見にゆかん   篠原隆子


富山県南砺市の城端(じょうはな)別院善徳寺の虫干しは大掛かりなもので、


加賀前田家より拝領の品など、一万点以上もの寺宝が公開されます。


城端絹と呼ばれる絹織物が名産で、


どの家の男子も正絹の羽織袴をもっているそうです。


そんな豊かな土地の名刹の虫干しを見に行きたいというわけなのです。


自転車の向かひつ風ああ立秋か   臼杵政治


日常のありふれた光景ですが、


秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行『古今和歌集』


以来の立秋の本意を踏まえてあるため、


厚みのある余韻を感じることができます。


あこがれの大きな西瓜買ひにけり   那珂侑子


子どものころには西瓜を一玉買うのはたしかに「あこがれ」でした。


しかし、じっさい大人になると、一玉買う機会は意外とありません。


生活のありよう、家族のありようが昔と変わってしまいました。


そうしたなか、那珂さんの句はあこがれの西瓜一玉を買ったというのです。


それも大きな西瓜というのですから、わくわくしますね。


「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。


次回は9月11日(水)13:30〜


会場は江東区森下文化センターです。


「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。


会員以外の方は体験参加が可能です。


初心者の方も歓迎いたします。


詳細は「古志」公式サイトを御覧ください。

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