朝倉市・田神社(竜泉寺)1 竜泉池
福岡のつづきです。
地元、朝倉市甘木の田神社(竜泉寺)を散歩しました。
ここは幼少のころの遊び場でした。
楠若葉。
田神社の主祭神は埴安神で土を司る神。いわゆる田の神様。
そして猿田彦もあわせて祀られています。猿田彦も田の神様。豊作祈願の神社です。
私は猿田彦や田の神を詠むことがありますが、この田神社が原風景になっています。
幼いながらに「猿田彦」という神秘的な字面に心惹かれていました。
ここは古くは竜泉寺というお寺でした。古刹・安長寺の末寺でしたが廃寺に。
いつ廃寺となり、いつから田神社となったのかは不詳。
文献が残っていないということは、廃仏毀釈より以前のことだと思います。
いっぽうで、この地に田の神様が祀られることになった理由ははっきりわかります。
こちら竜泉池の跡。
私が子どものころは、こんこんと清水が湧いていました。
いまは埋め立てられていますが、大人が泳げるくらいの深さがありました。
夏には水に入って遊びましたが、震えるくらい水が冷たかった記憶があります。
たまたま伺ったご近所の御婦人のお話では、
夜には大人の男たちが全裸(フルチンとおっしゃっていました)で泳いでいたそうで、
「とんでもないところに嫁に来てしまった」と夜ごと後悔していたとのこと。
半世紀ほど前のおおらかな時代の話だそうです。
(博多出身の方でした。こちらは東京人のふりをしていろいろお話を聞いてしまいました)
竜泉池で湧いた水は農業用水として使われていたそうです。
水路跡。いつからかその役目を終えました。
湧水は最終的に筑後川まで流れていったとのこと。
以上の竜泉池の話を踏まえると、
この地に田の神様が祀られたのは必然のことですね。
貴重な農業用水が湧き出でていた場所でしたので、
田の神様に守護してもらったということだと思います。
農業が地域の生活の基盤であった時代、
人々の暮らしや命に関わるとても大事な場所だったわけです。
なつかしさとともに時代の移ろいを感じました。
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